日本が持つ迎撃ミサイルの命中率はどのくらい⁉︎ 名前と配備状況をわかりやすく解説!
北朝鮮のミサイルに対し緊張が高まっている今、日本の持つ防衛能力はどのくらいなのかということが話題になっています。
今回は日本の迎撃ミサイル(システム)の命中率やそれぞれの名前、どこに配備されているのかといったところについてわかりやすく説明して見たいと思います。
北朝鮮とアメリカが牽制し合っている中、とばっちりを食らう可能性のある日本の防衛システムの本当のところを見ていきましょう。
日本が保有する迎撃システムは?
まず、命中率を見る前に、日本はどのような迎撃システムを持っているのかということを知る必要がありますよね。
ここでいずれかの名前は聞いたことがあるかと思いますが、『SM-3』『パックスリー』『サード』とかが関係してきます。
SM-3とは
SM-3という名前はあまり聞いたことがないという方も多いかもしれません。これはイージス艦に搭載されているミサイル迎撃システムなんですね。
つまりSM-3は海上にいるイージス艦から発射される迎撃ミサイルなんです。
現在日本はこのSM-3を搭載しているイージス艦を4隻持っていて現在グアム島付近へのミサイル発射を示している北朝鮮の言動に沿ってイージス艦は日本海に展開しています。
そんなSM-3は現在4隻にしか搭載されていない・レーダーの向きがあっていないと感知できないというのが弱み。
でもしっかり強みもあって、高い命中率と、射程高度が70〜500kmということでかなり高いところにあるミサイルも迎撃可能ということになります。
PAC-3とは
次は、多くの方が一度は耳にしたことがあると思う『PAC-3』。読み方は『パックスリー』ですね。
この迎撃システムは地上に配備されているもので、よくニュースでも自衛隊が運んでいる姿を目にすることも多いかと思います。
こんなやつですね。このPAC-3は容易に展開ができるのが強みですが、その守備範囲が狭いこと(数十キロの範囲のみ)がデメリットになっています。
THARDとは
そしてもう1つTHARD(サード)という地上のミサイル防衛システムがあるんですが、これはまだ日本には配備されていません。
現在配備されているのはアメリカと韓国だけで、韓国への配備が決まった時には韓国国内でデモもありましたよね。
ちなみに、THARDよりもSM-3の方が射程高度は高いとされています。
高度を確認してみる
さっきから、高度何kmとか色々書いていますけど、実際どのくらいの距離なのかわかりませんよね。
そこで写真で確認して見るとこんな感じ。
過去に北朝鮮が発射したミサイル『ムスダン』は最大高度1000kmに達したとも言われているので、それくらいの高度で発射される、いわゆる『ロフテッド起動』のミサイルだと頂点付近での迎撃は不可能になります。
じゃあ、低くなってきたところで迎撃すればいいだけの問題じゃん!って思うんですが、高度が低くなるということは最高高度から加速しながら降下してくるのでとてつもないスピードになります。
それを迎撃するのは通常の頂点付近での迎撃に比べ非常に難しいとされているんですね。
命中率ってどのくらい?
そして気になる命中率ですが、アメリカで行なった実験で、イージス艦搭載のSM-3は89%。
PAC-3は83%(新ソフト搭載後は100%)
と、かなり高いことがわかります。
専門家の中でも90%以上の確率で落とせると言っている方も多くいるため、命中率はかなり高いことがわかります。
ちなみに迎撃のプロセスは、日本本土への着弾が予想される場合、まずイージス艦搭載のSM-3がミサイル迎撃をする。
これで落とせなかった場合は地上のPAC-3が迎撃をするという形になっています。
とにかく、レーダーでいち早くどこから発射されてどこへ着弾するのかを導き出すことが大事だということがわかりますね。
しかし、PAC-3は現在16箇所にしか配備されていないので日本全土を守れるか?となった際には不可能という言葉が出てくるでしょう。
まとめ
- 日本が持つ迎撃ミサイルシステムの命中率・精度はかなり高いものだとわかった。
- しかし、日本全土をカバーしているとまでは言えない。
- SM-3はイージス艦搭載で高度が高いものも迎撃可能。
- PAC-3は地上配備型のシステムで展開はしやすいがカバーできる範囲が狭い。
- ロフテッド軌道で多くのミサイルを発射された場合は迎撃しきれない可能性が高い。